Meta Thinking

学校のテストでの問題解決とは異なり、ビジネスにおける問題解決には必ずしも正しい答えが存在するとは限りません。問題解決の手順が異なれば、得られる答えも違ってくることもあります。


そうであれば、如何に問題を解決するのか、如何に考えるのかを、自らコントロールしていくことが必要になります。そのために必要な能力が「メタ思考力」です。「メタ思考力」とは聞き慣れない言葉ですが、「考えている自分を俯瞰して」考えることの出来る力を意味しています。

ビジネスのためのメタ思考力とは何か?

弊社の研修プログラムは、インストラクショナル・デザイン法により開発、実施し、研修成果を高めるためのプログラム品質の管理をしています。

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参考文献:

 福澤英弘 (2007)「定量分析 実践講座」

   ファーストプレス

第2回 WBCの決勝戦 10回表に日本代表のイチロー選手がセンター前の決勝打を放った場面は、まだ記憶に新しいですが、この時、イチローが使っていたのが正にメタ思考力であったと梶原しげる氏は指摘しています。


多くの観衆が固唾を飲む緊張の瞬間に、イチローが平素の力を出せた理由の一つは、自分を客観的に眺めることが出来たことにあるでしょう。自分自身を俯瞰して、平素通りにしなければならないことを、その通りに実行出来たことが、あの場面でヒットを打てた要因の一つないでしょうか。


即ち、どっぷりと問題解決に浸かるのではなく、問題解決を進めながらも、自分の思考や行動が正しいのか、という客観性を常に持ち続け、取るべき考え方や行動を進めていかなければなりません。

「自分の中で実況しながら

 打席に入っていて…」イチロー

メタ思考を実践するには

それでは、メタ思考を実践する為には、何が必要なのでしょうか?残念ながらメタ思考が一朝一夕に出来るようになる方法はわかりませんが、日頃から「自分はどのように考えているのか」を俯瞰することを意識して、習慣化することが最も近道なのかもしれません。


その際、自分の思考を客観視する軸を持っておくと良いでしょう。例えば、思考には「価値観」、「合理性」そして「感情」といった異なった影響要因があることを意識することも必要です。早速、最近の部下からの提案に対する自分自身の思考過程を振り返ってみては如何でしょうか?